2015 Spring
★去年の10月8日に「皆既月食」が見られたね。あの時、見逃しちゃったなぁ。
【先生】「皆既月食」は、今年の4月4日にも見られます。
図1 月食のしくみ(国立天文台HPより引用)
★「皆既月食」って、どのような月食なの?月食に種類はあるの?
【先生】月食には「皆既月食」と「部分月食」があります。「皆既月食」は地球の影が月全体を隠す現象で月は見えなくなるはずですが、実際には図2のように赤黒い月を見ることができます。「部分月食」は地球の影が月の一部を隠す現象で、図3のように月の一部が欠けて見えます。
図2 皆既月食(国立天文台HPより引用) | 図3 部分月食(国立天文台HPより引用) |
★「皆既月食」では、なぜ赤黒い色になるの?
【先生】太陽の光には、いろいろな色が含まれています。光が地球の大気を通過する時に、青色のような波長の短い光の殆どが大気中にちらばってしまいます。一方、赤色のような波長の長い光は大気中でちらばりにくく、わずかな赤い光が残ります。この光が大気によって曲げられて月に届きます(図4)。このような理由で、「皆既月食」は赤黒く見えるんだよ。
図4 皆既月食が赤く見える理由(国立天文台HPより引用)
【図5】2015年4月4日皆既月食の時刻と位置(久留米市)
★観察するときの準備や注意はあるかな?
【先生】時計が必要です。時間を確認しながら、部分月食から皆既月食、皆既月食から部分月食になる様子を楽しんでもいいね。あと、明るいうちに観察する場所を決めておきましょう。場所を選ぶポイントは、
1.東の空が開けている
2.安全で平らな場所
3.街灯などまぶしい明かりが少ないことです。
周りの状況(車の通行など)に注意して、観察しましょう。遅い時間なので、子どもは大人と一緒に観察しましょうね。
★万が一、雨や曇りの場合は?
【先生】残念ながら雲に覆われて、月が見えないと地上からは観察できません。次に日本で見られる「月食」は、2017年8月8日の「部分月食」、2018年1月31日の「皆既月食」です。晴れることを願いましょう。
★「皆既月食」、今からとても楽しみだね。みんなでこの「皆既月食」楽しみたいな。
【先生】近くの科学館や天文台でイベントを行うかもしれませんよ。福岡県青少年科学館でも4月4日(土)19時から「皆既月食観望会」を行う予定です。