2013 Spring
◆パンスターズ彗星や春の星座を探そう!
図1 彗星(国立天文台HPより引用) |
★今年はすごい「彗星」が見られるかもしれないって聞いたよ。
【先生】2013年には2つの彗星が肉眼でも見えるほどの大彗星になると予想されています。春の「パンスターズ彗星」と年末の「アイソン彗星」です。2013年は「大彗星の年」になるかもしれません。
★「彗星」って何?
【先生】彗星は、氷を多く含んだ小さい天体で、図1のように細長い形をした通り道で太陽のまわりを回っています。普段は、小惑星と区別がつかない天体なのですが、太陽に近づいた時にその姿をがらりと変えます。
★「彗星ががらりと姿を変える」と、どのように見えるの?
【先生】彗星は太陽の近くを通る時に、太陽の熱によって氷が一気にとけて気体となり、「尾」をひいたような姿で見ることができます。この姿から、彗星は「ほうき星」と呼ばれることもあります。また、彗星が通った後には、彗星がばらまいた“ちり”が大量にあります。この近くを地球が通る時、この“ちり”が地球の大気に飛び込んでくることによって、たくさんの「流れ星」を見ることができます。これが「流星群」です。
★わぁ、楽しみだなぁ。パンスターズ彗星は、いつ、どの方角に見えるの?
【先生】パンスターズ彗星は、3月10日に太陽に一番近づくと予想されています。その前後の3月初めから4月いっぱいまで肉眼で十分見えると予想されています。特に、3月21日頃からは、日の出前の東北東の空(図2)との日没後の西の空(図3)に、1日2回彗星を見ることができると言われています。肉眼でも十分に見える明るさになることが予想されていますので、特に観測機器は必要ありませんが、双眼鏡や望遠鏡があれば肉眼よりもはっきりその姿を見ることができるでしょう。ただし、双眼鏡や望遠鏡を使う場合は、絶対に太陽を見ないように注意しましょう。
図2 日の出前、東北東の空でのおよその見え方 (ステラナビゲータver.9で作成) | 図3 日没後、西の空でのおよその見え方(ステラナビゲータver.9で作成) |
【先生】彗星は実際に太陽に近づいてこないと、どのように見えるか分からないのが正直なところです。でも、「どのように見えるのかな?」って期待しながら見るのも、また楽しいと思いますよ。
★彗星をとても見てみたくなってきたよ。彗星の他に、夜空でおもしろいものはないの?
【先生】春の星座探しをしてはどうかな?
図4 平成25年4月1日午後9時頃 久留米市から見た東の空 |
【先生】まずは、4月の初めなら午後9時頃東の空を見て、“ひしゃく”の形に似た星の並び、「北斗七星」を探そう。そこには「おおぐま座」があります。 北斗七星のひしゃくの持ち手が折れている部分を伸ばしていくと、明るい一等星の「アークトゥルス」を見つけることができます。そこから“ネクタイ”の形に似た星の並びを探してみましょう。そこに、「うしかい座」があります。 その北斗七星とアークトゥルスを結んだ線をさらに伸ばしていくと、また明るい一等星の「スピカ」を見つけることができます。そこにアルファベットの“y”の形に似た星の並びを探しましょう。そこに、「おとめ座」があります。 この北斗七星からアークトゥルス、スピカまで伸ばした曲線を「春の大曲線」と呼んでいます。春の星座探しにはとてもいい案内役になってくれます。(図4)
★へぇ、北斗七星から春の大曲線を探せば、春の星座たちを見つけやすいね。もっとたくさん星座のことを知りたくなってきたよ。どうすればいいのかな?
【先生】地域の「観望会」に参加してはどうですか?季節の星座の探し方を教えてもらったり、望遠鏡を使って惑星の姿を見せてもらったりすると感動しますよ。福岡県青少年科学館でも月に1度「市民天体観望会」を行っています。(無料。予約不要。)
ふくおかけんPTA新聞 第243号掲載