2010 Summer
惑星を見よう!
”キラキラ”と星が瞬く夜空はとてもきれいでロマンチックです。でも,その中にまたたくことなく落ち着いた明るい光を放っている星を見たことはありませんか? それが,地球と同じように太陽を回っている兄弟星,「惑星」なのです。
◆惑星ってなに? 「惑星」とは太陽系に属し,太陽の周りをまわっている星です。夜空を継続的に観察していると,星座を作っている星とは違って,星座の中を移動するように見えることから,「とまどう星」という意味で「惑星」と呼ばれます。これに対し,星座を形づくり,おたがいに位置を変えない星を「恒星」といいます。 惑星は地球に近いので特に明るく,またたかないように見えるので,恒星とは区別がつきやすいです。ぜひ夜空で見比べてみてください。 |
太陽に近いところから,水星,金星,地球,火星,木星,土星,天王星,海王星の8つです。太陽に比較的近い水星,金星,地球,火星は比較的小さく,かたい地表を持っています。それに対し,その外側の木星,土星は,とても大きくて,主にガスでできている星です。さらに外側の海王星,天王星は,主に氷でできている星です。
◆いつ・どのあたりを見ればいいの? 今年の夏は,水星,火星,木星,土星,海王星,天王星が見えます。海王星と天王星はとても暗く,肉眼では観察が難しいです。「水星」は7月末までの夕方の西の空の低い位置で,しし座の1等星「レグルス」の近くに見えています。「土星」は8月末までの日没後の西の空で,おとめ座の1等星「スピカ」の近くに見えています。 |
7月20日(水)夜8時頃の惑星の位置 (惑星と1等星は図案化しています) |
7月21日(木)朝4時頃の惑星の位置 (惑星と1等星とプレアデス星団は図案化しています) |
「火星」は夜明け前の東の空で,おうし座の1等星「アルデバラン」の近くに見えています 「木星」は夜遅くに東から昇り,夜明け前の東南東の空で,「おひつじ座」の近くにあります。「おひつじ座」はわかりにくいので,夜中に東の空から昇り夜明け前まで,この時期の夜空で最も明るく(-2.9等)輝いています。 |
「望遠鏡」などの特別な道具がなくても,見つけることができます。双眼鏡があれば,その色もはっきり見えてきます。暗い時間の観察なので,足元を照らす懐中電灯(赤いセロファンを貼ると良い)や虫よけスプレーなどもあると良いでしょう。
◆「観望会」に行ってみましょう
「惑星」は肉眼でも観察できますが,やはり望遠鏡で観察することをおすすめします。望遠鏡で見ると,その色や模様など表面の様子がはっきりと見えてきます。また,「木星」の表面の模様や衛星,「土星」の環なども見ることができ,その神秘的な姿に感動します。
望遠鏡の操作はある程度慣れが必要なので,各地で行われている「観望会」に参加して楽しむのが良いでしょう。
福岡県青少年科学館でも「市民天体観望会」を行っています。
8月6日(土) 20時00分~21時00分 土星が見えています
9月10日(土) 19時30分~20時30分
11月5日(土) 18時30分~19時30分 木星が見えています
今年の夏休みの「自由研究」は「惑星の観察」や「星の観察」にしてみてはいかがですか? あまり時間を気にせず過ごすことができる夏休み。家族そろって,きれいな星空をゆっくりと眺めてみてはいかがでしょう。
ふくおかけんPTA新聞 第233号掲載