2010 Spring

「人工衛星」を見よう!

◆人工衛星って見えるの?
 夜、星や星座を探したり、のんびり夜空を眺めているときに、星々の間をゆっくり移動していく小さな光の点を見つけたことがある人も多いでしょう。また、日が暮れた薄明かりの空に、明るい光が移動していくのを見ることがあります。これらは人工衛星の可能性が高いのです。
 現在、地球の周りを回っている人工衛星は3,000個以上あります。その中でも、高度が低く、大型の人工衛星ならば、十分に肉眼で見ることができると言われています。
 人工衛星は自分で光を出しているわけではありません。日の入り後、または日の出前の数時間、地上は太陽の光が届かず暗くても、上空にはまだ太陽の光が届いています。そのようなときに人工衛星が上空を通ると、人工衛星に当たった光が反射して、地上からは人工衛星が光って見えるのです。また、見えている途中で、人工衛星に光が当たらなくなって突然消えてしまうこともあります。


◆人工衛星の見え方は?
 1)見た目は、飛行機と同じくらいの速さで移動します。しかし、人工衛星は1つの点が光り、点滅はしません。
 2)流れ星はわずか1秒前後でスーッと消えてしまいますが、人工衛星はゆっくり移動しながら数分間見えます。
 3)ほとんどが、西側から現れます。 ※人工衛星の打ち上げは地球の自転(西→東)を利用するため、基本的に東に向かって打ち上げられます。ですから地上から見ると、西側(西、北西、南西)から現れ、東側へ移動するものが多いのです。
 4)見えている間に、だんだん明るくなります。 ※日が暮れて、人工衛星が西側から現れる場合、月(地球の衛星)の満ち欠けのしくみと同じように、東側に移動するにつれて、だんだん明るくなります。

◆いつ、どこで見ればいいの?
 街灯りの少ない星のよく見える暗い場所で、日が暮れてからずっと空を眺めていると、1日に何個かは人工衛星を見つけることができるはずです。
 しかし、もっと確実なのは、インターネットで人工衛星の予報を調べることです。特に、明るくて観察しやすい「国際宇宙ステーション」の予報について、「JAXA宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター」ホームページの「ISSを見よう」(http://kibo.tk sc.jaxa.jp/)に、主要都市での観察日時や方角などが詳しく掲載されていますので、ぜひ「福岡」のデータを参考にしてチャレンジしてください。そして、夕暮れの空に飛ぶ、宇宙ステーションの光を見ながら、搭乗している日本人宇宙飛行士の活躍を想像するのも楽しいでしょう。

 ふくおかけんPTA新聞 第225号掲載