2009 Winter-2

「すばる」を見よう!
「気軽に楽しむ星空観察」では、肉眼や双眼鏡で、簡単に見ることができる美しい天体 などについて紹介します。
◆ほしはすばる

 さて、「星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。・・・」というのを知っていますか。平安時代の作家、清少納言が書いた「枕草子」の中の文章です。星の中で最も美しいのが「すばる」、「ひこぼし」、「ゆうづつ」とたたえています。一番目にあげられた「すばる」は「統ばる」と書き、一つに集まっていることを意味しています。正式には「プレアデス星団( M45)」といい、地球から400光年の距離にあり、約1億歳と若く(太陽は約46億歳)、青白い高温の星の集団です。「ひこぼし」は七夕の星で、わし座の1等星アルタイル、「ゆうづつ」は夕方明るく輝く金星、宵の明星(よいのみょうじょう)のことです。平安時代は街灯りもなく、とてもきれいな星空が見られたことでしょう。

◆プレアデス星団(すばる)を見つけよう!
 街から離れた星がよく見えるところでは、プレアデス星団を肉眼で見ると、6~7個の星の集まりであることが分かります。昔から注目されてきたその美しさを、まずは肉眼で確かめてください。そして圧巻なのは、双眼鏡で見た姿です。数十個の青白い星が、まるで宝石を散りばめたかのように美しく輝いていています。
<探し方>  おうし座の肩の位置にあります。有名なオリオン座の三つ星からおうし座の1等星アルデバラン、そこからプレアデス星団へとたどっていきましょう。双眼鏡は口径4~5cm、倍率7~10倍程度のものが使いやすいでしょう。

◆まだまだあるぞ!
ぜひ、双眼鏡で観察してほしい天体として、オリオン大星雲(M42)があります。主に水素ガスからできていて、星が次々と誕生している場所です。オリオン座の三つ星のすぐ下にある縦にならんだ小三つ星の真ん中の淡い光です。ほかには、私たちの銀河系から約230万光年の彼方にあるアンドロメダ銀河(M31)もはっきりと見ることができます。アンドロメダ座の腰の位置にありますので挑戦してみましょう。

 ふくおかけんPTA新聞 第224号掲載