2006 Winter

◆星座をつくったのは誰?
 人々はかなり古い時代から、目立つ星や星の並びに名前をつけていましたが、現在使われている星座は、約5000年前のメソポタミア地方(現イラク付近)の羊飼いたちが、夜ごと星空を眺めながら明るく輝く星々を結んで、動物や英雄たちの姿を星空に描いたのが始まりだとされています。そして、その多くが古代ギリシャに伝わり、詩人たちの話の中に取り上げられ、神話や伝説と結びついていきました。  2世紀頃、ギリシャの天文学者プトレマイオス(トレミー)は、それまで伝わっていた星座を現在私たちが使っているものとほとんど同じ48星座に整理しました。その後、この『プトレマイオスの48星座』は、約1500年もの長い間使われてきました。  16世紀頃になると、望遠鏡の発明などによって48星座のすき間の暗い星なども観測され、さらに「大航海時代」とも重なって今まで星座が描かれていない南天の星空を目にするようになったのでした。天文学者たちは、南半球へ旅した船乗りたちが目にした珍しい動物など(カメレオン、くじゃく、インディアンなど)や新しい道具など(ぼうえんきょう、コンパスなど)も星座にしました。  その後、天文学者たちが我も我もと勝手に個人的な星座をつくっていき、星座の数も100を超えるようになったため、1928年国際天文学連合で全天の星座を『88星座』と定め、この星座が現在使われています。しかし、現在でも国や地方によってさまざまな名前でも呼ばれています。

◆いくつの星座を知っていますか? 『88星座』 星座名は50音順
 
◆大きな星座と小さな星座
 一番大きな星座は、春の星座の「うみへび座」で、東西にひじょうに長いものです。しかし、以前は南天に「アルゴ座」というもっと大きな船の星座がありました。現在はその星座を4つに分けて、「とも座」「ほ座」「らしんばん座」「りゅうこつ座」になっています。  では、一番小さな星座は何でしょう。日本からはほとんど見ることができませんが「みなみじゅうじ座」です。1等星を2つも持つので、小さくても目立つ星座です。ちなみに日本から見える星座で一番小さなものは、目立ちませんが「こうま座」です。