福岡県青少年科学館では、毎月1回市民天体観望会を行っています。
観望会では4台の望遠鏡を使って、その時期のおすすめの天体を見たり、久留米の街中でも探せる星座を探したりしています。
しかし、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、まだ1度も開催が出来ていません。
そこで「おうちで観望会」では、今月のおすすめの天体をご紹介し、望遠鏡で見たらどのように見えるのか、天文ボランティアの方が撮影された写真をもとにご紹介していきます。

「秋の夜空で3つの惑星を楽しもう。」
2020年10月24日19時の久留米の空

(ステラナビゲータ―11/株式会社アストロアーツ)

2020年10月24日19時、南の空では半月よりも少しだけ膨らんだ月が輝いています。月から目線を南西へ移すと、とても明るく輝く星が見つかります。この星は-2.2等で輝く木星です。月と木星の間には、0.6等の土星も見えています。土星は明るい月と木星をたよりに探してみるとよいでしょう。そしてこの時間、月の次に明るく輝いている星が、南東の空で輝く-2.4等の火星です。火星は赤っぽく、そして明るく輝いていますので、簡単に見つけることができます。
秋の夜空では星座を形づくる星たちが控えめに輝いているので、3つの惑星の輝きはいっそう目に留まります。

では、これらの3つの星は望遠鏡を使ってみてみると、どのように見えるのでしょう。
木星
木星
天文ボランティア
Eさん撮影
太陽系最大の惑星である木星は、しま模様が特徴です。望遠鏡で見るとうっすらとその模様を捉えることができるでしょう。木星を望遠鏡で見たときには、ガリレオ衛星にも注目してみてください。ガリレオ衛星とはガリレオ・ガリレイが発見した、木星の周りを回っている4つの星のことです。木星の近くで輝くガリレオ衛星を見つけた時の感動はひとしおでしょう。

土星
土星
天文ボランティア
Eさん撮影
観望会では特に人気のある天体です。氷や岩石からなる環がとても美しく、「太陽系の宝石」とも言われています。家庭用の望遠鏡でも、はっきりと環を確認することができます。
 土星の輪は、およそ30年をひとめぐりとしてその傾きを変えていきます。2017年に最も環が大きく開き、2025年にはその環が地球からは見えなくなってしまいます。2020年は、まだ大きく開いた美しい環が見えています。

火星
火星

天文ボランティア
Eさん撮影
2年2カ月ごとに地球との接近を繰り返す火星は、10月4日に地球に最接近したばかりです。地球との距離が近くなるため、望遠鏡で見ると見た目の大きさも大きく、見応えのあるものとなります。火星で起こる砂嵐の影響や地球の大気によるゆらぎ(シーイング)によって、模様が見えにくくなることもありますが、条件が良ければ表面の模様を観察することができます。

市民天体観望会が再開されたら、望遠鏡を覗きにぜひ科学館へお越しください。